私は、日本労働弁護団の機関紙「季刊・労働者の権利」の編集に関与していますが、担当の夏号(315号)で「労働運動の新展開―ユニオン運動の模索―」という特集を組みました(特集Ⅲ)。
日本の労働運動の弱体化に対して、ユニオン・合同労組の運動が新たな道を切り開くといわれて久しいですが、ユニオン運動も組織化等の課題を抱え、模索が続いています。その模索のいくつかの取り組みをこの特集で紹介しました。関西生コンや総合サポートユニオンによる業種別職種別労働運動の取り組み、アメリカのコミュニティ・オーガナイジング(住民組織化)の手法を取り入れているプレカリアートユニオンの取り組み、最低賃金大幅引き上げキャンペーンによる新しい質を持った労働運動の構築と反貧困運動の再起動の取り組み、労働相談から職場の合同労組支部建設を連続的に勝ち取っている東京東部労組の取り組みの4つを取り上げました。
労働弁護団は労働者側の弁護士の組織ですが、我々仕事は法廷だけにあるのではなく、労働運動と結びつき、その発展のために尽力することも大事な仕事だと思います。今回の特集を通じて労働弁護団内外で、労働運動の発展のための議論が巻き起こることを期待しています。
「季刊・労働者の権利」は一般の書店では販売していないので、購入希望の方は、労働弁護団本部までファックスで申し込んでください。1冊でも購入できますが、ぜひ、年間購読をご検討ください。
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季刊・労働者の権利 315号(2016年7月発行)
特集Ⅲ 労働運動の新展開-ユニオン運動の模索-
① 業種別職種別ユニオンの構想 木下武男 労働社会学者(元昭和女子大学教授)
② コミュニティ・オーガナイジングとユニオン運動 清水直子 プレカリアートユニオン執行委員長
③ 「最低賃金大幅引き上げキャンペーン」と「新しい質をもった労働運動」の構築と「反貧困運動の再起動」 河添 誠 「最低賃金大幅引き上げキャンペーン」委員会事務局メンバー/元首都圏青年ユニオン書記長
④ 労働相談から職場の合同労組支部建設へ 須田光照 全国一般労働組合全国協議会東京東部労働組合書記長